こんにちは。かばんのみかた編集部のさっちもです。今回は革製品の経年変化をご紹介したいと思います。さっちもが愛用している革財布のひとつ、m+とかいてエムピウ。エムピウは10年以上前から人気でしたが、数年前にyoutubeで紹介されたことがきっかけでさらに盛り上がっていますね。正直どこの店舗も品薄状態…なかなか手に入らない状況がより人気を加速させているようです。大量生産されるようなアイテムではありませんが、根気強く待っていると必ず手に入るのでミッレフォッリエとの一期一会をお楽しみください。
愛用している3色のミッレフォッリエ
さて、さっちもが愛用しているエムピウ、ミッレフォッリエは下記の3カラー。購入してから10年ほど経っているのですが毎日使っているわけではないので、型崩れもなく状態は良好、かついい感じにエイジングしております。全てカードが25枚入るサイズのミッレフォッリエです。積むとさらにかわいいですよね。積みピウ。
美味しそうなカラーが魅力の「oimo」
え?オイモ?芋?そう、お芋です。紅はるかのような、シルクスウィートのような神々しいイエローが眩しいですね。私がさつまいも好きであることと関係なく魅力的なカラーです。こちらは東西南北屋さん限定のカラーなんですが、現在は入荷もほぼなく、なかなか手に入らないとのこと…しかし、ミッレフォッリエ自体は月に1~2回は入荷しているそうなので、いつかは手にすることができるはずです。
なぜか2個所持しているオイモ。ひとつは左利き用だったような。購入時期が異なるので、ロットによる色の違いがよく分かりますよね。そんなところも本物のさつまいもっぽくて好きです。oimoの革はブッテーロ。革の王様です。経年変化が進むたびにガラスコーティングのような美しいツヤが生まれます。購入時についているような革本来の持つ傷や毛穴、血筋などは全く気にならないのですが、自分でつける傷は許せない面倒なタイプです。うれしいことに友人や知人にキレイな経年変化をほめてもらうことが多いのですが、ブッテーロはさすがに無理でした。それでもこのoimoは10年選手の割にキレイな状態ではないでしょうか。ほかのミッレフォッリエと比べてあまり使用していないのが原因ですが、凹凸ができるような深い傷はありません。傷をつけたくないあまりに使用頻度が下がるという、本末転倒なブッテーロ恐怖症です。
エムピウの使用頻度の高さはこのギボシに表れますよね。最初はくすんだアンティークな色合いですが、使い込んでいくうちにコーティングが剥がれてゴールド金具が顔を見せます。金具の育ち具合もポイントですよね。
一番使い込んだカラー「sai」
saiという色名は動物のサイからきているそう。今では購入時の色合いは見る影もないくらいの経年変化を遂げております。このsaiはロウ引きしてあるので元々は薄いグレーでマットな質感だったのですが、熱心に手入れをしていたため色も濃くなりしっとりとした質感に育っています。エムピウの生みの親である村上さんは革クリームは最初に薄く塗るくらいで、あとは手の油分で育てていくくらいで良いのでは、とおっしゃっていたのですが、しょっちゅうラナパーを塗っていたのでかなり油分たっぷりな仕上がりとなりました。この濃いグレーはさらに経年変化が進むと茶色になってくるそうです(すでに若干茶色くなっていますかね?)今後も経年変化が楽しみです。
シボ感を楽しめる「ネイビーパープル」
そしてネイビーパープル。使用頻度はsaiには劣るのですが、こちらもかなりお気に入りカラー。多少ツヤは出ておりますが、色合いに変化は感じられません。購入した当初からキレイな発色をしております。革はミネルバボックスなので、シボのおかげで一番傷が目立ちにくいですね。それゆえ油断しがちなので思ったよりも傷が入っています。しかし内装はまだまだきれいな状態ですね。ネイビーパープルは内装もダークトーンの色合いなので傷などが目立ちにくいカラーです。
さっちもが愛用しているエムピウのミッレフォッリエは、全て内装に使用されているのはピッグレザーとコットンです。少しマットで毛穴が目立つ豚革らしい質感です。内装は小銭やカードの出し入れがあるので、傷が目立ちにくいピッグレザーはぴったりだと思います。さらにその内側にコットンが使われており、汚れが目立ちにくいような、目立ちやすいような…色によりますね。このコットン素材が残念、物足りないと思われる本物の革好きにはぜひオールヌメのミッレフォッリエをおすすめします。
これからも経年変化を楽しみながら
ミッレフォッリエは10年前からあまり大幅な値上げはしていないので、お値段以上の質感を楽しめると思います。長財布を卒業してもっとコンパクトな財布を持ちたい。でもお札を折りたくない。そんな要望に応えてくれる財布だと思います。お札は多少カーブを描きますが、厚みがある分はっきりとした折り目はつきません。手のひらに収まるサイズ感がクセになり、ずっと大切にしたくなる。そんな育てがいのあるミッレフォッリエ。エムピウの村上さんが、この子を超えるモノを生み出したい、と言葉をこぼしていたのはいつだったか。いまでも他を圧倒する存在感を放つミッレフォッリエはまだまだ人々の心を掴んで離さないようです。久しぶりに収納から引っ張り出したミッレフォッリエたちに懲りずにラナパーを塗りながら、村上さんが話すその”いつか”を楽しみに待ちたいと思います。