革財布のMIKATA編集部です。
時間が経つにつれて革の色味やツヤなどが変化していくのがエイジング(経年変化)。
手を加えなければ失敗して綺麗にエイジングできなくて見た目が汚くなってしまうことが多いのです。
今回は革のエイジングを綺麗に行うための方法と、綺麗にエイジングするための注意点を解説していきます。
革のエイジングとは?
まずは革のエイジングについて簡単に解説していきます。
革のエイジングとは、革財布や革小物などのレザーアイテムを使用するにつれて革の様子が変化することを指します。
このエイジングは革製品を使用していく時に手の油分が革に吸収されたり、外出中などで紫外線が当たることにより刺激を受けることで革に浸透している油分が少しずつ革の表面に滲み出てきます。
このエイジングは少しずつ現れるため、徐々に革表面の様子が変わっていくのです。
次に革のエイジングで見られる変化をチェックしてみましょう。
色の変化
革のエイジングで一番わかりやすい変化が『色の変化』です。
新品の革製品と数年使った革製品の色味の差は並べてみると一目瞭然。
しかし一気にエイジングで色味が変化するのではなく、少しずつ時間をかけて革表面の色味が変化します。
この過程を楽しんで長く使えるのが革のエイジングの醍醐味でもあります。
光沢の変化
革のエイジングではオイルが表面に滲んできて少しずつ革本来のツヤが出てきます。
後に登場するコードバンという種類の革は特に綺麗にツヤが出て上品さがアップするんです。
綺麗に丁寧にエイジングすれば鏡の様に反射する革の光沢を出せたりすることも◎
重量の変化
革のエイジングの過程でレザークリームを使用したりすることで油分や水分が革に入り重量が変化します。
ポケットに収納したりするときには湿気で水分が含まれたりすることでエイジングの過程で革製品の重量も変わっていくのです。
形の変化
革製品を使っていると徐々に形が変化していく所はよく見かけたりすると思います。
この革の形の変化も立派なエイジングなんです。
革繊維がギュッと押されて凝縮されていき、ハリ感や厚みがある革もしなやかに変化していきシュッとスリムになったりします。
革のエイジングを失敗しないための注意点
革のエイジングは自然と起きていくものですが、汚くなったりしないための注意点がいくつかあります。
せっかく長く使って楽しめる革財布やレザーバッグなどの革製品を綺麗にエイジングできなければ見た目が台無しに…
革をエイジングする時には以下の注意点を気を付けておいてください。
① レザークリームを塗り過ぎない
レザークリームは革製品のお手入れで欠かせないレザーケアアイテムですが、実は塗り過ぎるとエイジングだけでなく革にも逆効果に…
塗り過ぎることでシミになったり油分が多くなりすぎて革本来の風合いを壊してしまうこともあります。
革に良いものだからと塗り過ぎには注意しましょう。
② 水に濡れたままにしない
革の天敵ともいえる水。
エイジングする革は水に弱い革が多く、放っておくとシミや水ぶくれができて状態が台無しになります。
一度シミになるとなかなか綺麗に元通りにできないため、エイジングを綺麗にしたい革製品を使っている時は水には十分に注意してください。
もし濡れてしまった時にはすぐに拭き取り陰干しして乾かしましょう。
③ 放置して乾燥させない
革製品を使っている中でレザーケアを行う習慣はあまり無いという場合が多くあります。
特にしばらく使わない革製品をお手入れせず適当に放置することも…
そうすると革は乾燥してきてひび割れを起こしてしまいます。
エイジング以前に革がダメになってしまったり、クリームを過剰に塗ることにもつながるため放置しすぎずに定期的なメンテナンスを行う必要があります。
④ 湿気でカビを生えさせない
乾燥とは逆に湿気の多い場所も注意が必要。
一時的にポケットの中に収納したりする分には大丈夫ですが、湿気の多い部屋に長期間置いていたりするとカビが生えてきたりします。
エイジング以前に革にとって良くない状態なので、適度な水分はOKなのですが水に弱いのと同じように湿気の多さにも注意が必要です。
綺麗にエイジングしたい時は直射日光が当たらず風通しのいい場所がベストなのです。
革のエイジングを綺麗に早くする方法
では、革のエイジングを綺麗にするにはどうすればいいのでしょうか?
エイジングに失敗せず綺麗に行うために注意しておくポイントが5点あります。
このポイントを全部取り入れなくても、1つ取り入れるだけで革のエイジングは綺麗に進んでいくので、利用シーンや無理のない範囲で実践してみて下さい。
① 革を日光浴させる
一番手軽でエイジングを綺麗に早く行えるのが日光浴。
革の日光浴といっても、人のように太陽がガンガン当たる日向に革製品を置いておけば良いというものではありません。
革製品を綺麗に早くエイジングさせるための日光浴は、サッとブラッシングをした後に直射日光を避けて風通しの良いところで1ヶ月程度置きます。
時々位置を変えてバランスよく日光浴させるのがポイント◎
日光浴により油分が表面にでてくるので、柔らかい布などでふき取り馴染ませていきます。
乾燥しているので、少しクリームを塗って加湿・保湿して完了となります。
② 革をブラッシングする
これは革のエイジングで一番手軽にできる方法で、日ごろのお手入れ習慣でのブラッシングです。
え?それだけ?と思うかもしれませんが、実はこれも立派な革を綺麗にエイジングさせる方法。
日常的に革をブラッシングすることで革の汚れやほこりも落ちて長持ちし、革表面の傷も目立ちにくくなります。
そして革のオイルを引き出してあげることで自然でキレイなエイジングを行うことができます。
③ 革を乾拭きする
ブラッシングも面倒くさい!そんな時には革製品を柔らかい布でサッと乾拭きしてあげましょう。
革が乾燥している場合はしっかりと加湿・保湿をした方がいいのですが、そうでない場合は乾拭きしてさっと綺麗にしましょう。
これだけでも革の状態を綺麗に保てるので綺麗に革をエイジングしたい時には行うのがおすすめです。
④ レザークリームを塗る
エイジングの注意点でも登場したレザークリーム。
これは塗り過ぎが注意ということで、適量のレザークリームは綺麗なエイジングに必要なのです。
普段あまり手で触らなかったり使用頻度が少なく乾燥してきている革には油分や水分を程よく補給してあげなければなりません。
その時には革に合ったレザークリームを使いましょう。
ブラッシングで表面の埃や汚れを落としてレザークリームを少しずつ塗る。
乾拭きやブラッシングで余分なレザークリームを落としてあげて完了です。
ひび割れや乾燥などから守り適度な加湿・保湿をしてあげることで革は綺麗にエイジングしていきます。
⑤ 使用頻度を高める
とてもシンプルで取り入れやすいエイジング方法が革製品の使用頻度を高めるということ。
人の手で触ったり服やバッグの中身と接触したりすることでエイジングが加速します。
手の皮脂が革に浸透していき、触れた部分の革が少しずつ変化していきます。
持ち方の癖もエイジングに現れてくるのも面白いところです。
使わず毎日持ち歩いているだけでもエイジングになるので、ぜひ外出の際は革製品をバッグに入れてみてください。
革のエイジングまとめ
以上が革のエイジングを綺麗に行うための方法と注意点でした。
長く綺麗に使え、さらにはエイジングという変化も楽しめる革製品。
汚く見栄えが悪くなるよりも、年を重ねてより綺麗に深みのある仕上がりになると格好良さが格段に変わります。
普段から革製品をお使いなら、綺麗にエイジングしてみるというのも楽しみの一つです。
ぜひどれか一つでも取り入れたり、注意点に気を付けて革製品を長く使ってあげて下さい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。