革財布のMIKATA編集部です。
みなさんはコードバンというレザーをご存じでしょうか?
美しい質感で「革のダイヤモンド」とも呼ばれ人気がある一方、ネットは「傷だらけになる」というワードも表示され、購入を悩んでいる方も多いかもしれません。
今回は、コードバンの性質や傷つきやすさと、傷がついた時の対処法について、ご紹介します。
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コードバンとは?
コードバンは、馬のお尻部分の皮からとられる希少な革。
コードバン層という2mmほどしかないコラーゲンの層を切り出して作られます。
美しい見た目に加え、熟練技を要する削り出し作業や、全ての馬がこの部位を持っているわけではないという希少性。
こうした特徴があいまって「革のダイヤモンド」とも評されている高級なレザーです。
コードバンの魅力
コードバンの魅力は、革の最高峰と呼ばれるほどの美しさにあります。
他にはない上品な光沢感が多くのレザーファンを魅了してやみません。
さらに個性的なエイジングにも定評があり、使っていくほどにしっとりとする重厚感も特長。
さらに、牛革の3倍とも言われるほどの耐久性の高さを誇り、高級なランドセルに採用されています。
通常の革とは違って単層構造であることから、薄いのに型崩れしづらいのも利点です。
コードバンは傷だらけになる?
丈夫なレザーであるはずのコードバンですが、傷つきやすいのも事実です。
その理由は、コードバン層だけをとる過程で、一般的なレザーにある強い表面(銀面)を削り落としているから。
さらに毛を寝かしつけるように整えて作られていることもあって、なめらかで美しい表面には傷がつきやすく、光沢があるからこそ細かな傷も目立ちやすいのです。
また、水にも弱く、濡れたまま放置しているとシミや水ぶくれの原因にもなります。
コードバンを傷つけない予防策は?
ここまで読むと「ガシガシ使いたいのに、すぐ傷だらけになってしまうのでは」と心配になる方も多いかもしれません。
コードバンは確かに傷が目立ちやすいですが、堅牢性も兼ね備えているので、扱い方次第で長く愛用できます。
ここからはコードバン製の財布に傷をつけないための工夫をご紹介します。
収納方法を見直す
コードバン製の財布を鞄に入れるときは、鍵やペン等ほかの小物にあたらないように注意しましょう。
財布だけ別ポケットに分けて収納したり、鞄の中で小物が動かないようポーチやオーガナイザーにまとめたりと工夫することで、不用意な傷を避けられるかもしれません。
乾拭きする
普段からのお手入れとして、汚れやホコリをため込まないのも大切。
使い込んだ柔らかな布でやさしく乾拭きするのがおすすめです。
ブラッシングは柔らかなものでステッチ部分を中心に、傷がつかないように気を付けてください。
水に濡れてしまった時も放置せずすぐにふき取りましょう。
乾燥から守る
手に取る機会の多いお財布は、通常手の油分がオイル代わりになるためクリームは必要ないとされます。
しかし、光沢感が減ってきたと感じる時や、長く使用せず保管していた時は乾燥している可能性があるので、コードバンに対応したクリームで油分を与えてあげましょう。
コードバンが傷ついた時のお手入れ方法
出し入れの多い財布は、どれだけ丁寧に扱っても、爪でひっかく等して傷ついてしまうもの。
ここからは、コードバンについた細かな傷のお手入れ方法をご紹介します。
クリームをなじませる
細かな擦り傷は、コードバン専用等の保革クリームを塗るだけで、目立たなくなるものも多いです。
まずは柔らかな布やブラシで汚れをふき取り、クリームを該当箇所に少量なじませます。
乾いたら柔らかな布でやさしく磨いてふき取ってください。
毛並みを整える
上記の方法でも傷が目立つ時は、かっさ棒を取り入れてみましょう。
傷によって毛羽立った繊維を再度寝かしつけてあげるイメージで、かっさ棒で傷とその周辺を押すようにクリームをなじませた後、布でふき取ります。
スプーンの腹や瓶の底等、ツルっと凹凸がなく硬いもので代用可能。
傷以外に、水ぶくれにも有効な手法です。
レザー専門店に依頼する
ホームケアでうまくいかない場合は、専門店に依頼するのも一つの手。
豊富な経験を持つプロならではの判断で、適切な対処を行ってもらえます。
切り傷や大きな損傷等、修復できない場合もちろんありますが、自己判断でケアして失敗したくないという方におすすめです。
コードバンは傷つきやすいが味のあるレザー
コードバンレザーの魅力は、美しい光沢と高級感にあります。丈夫で耐久性に優れていながら、傷が付き目立ちやすいのも特徴。
だからこそ「傷は味」と捉えるユーザーも多く、多少の傷は風合いとして楽しむのがおすすめです。
また、細かなすり傷であれば、お手入れで目立たなくなるので「傷だらけ」という印象は避けられるでしょう。
好みの方法で、自分だけのコードバンレザーを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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